CPU

エンジニア

CPUの基本スペック(コア、スレッド、クロック周波数、キャッシュ)を確認

PCオタクにとっては、CPUの性能なんて何をいまさらって感じでしょうが、仕事でしかPCを利用しない方にとっては、CPUって名前は知っているが、性能まできちんと把握している方って少ないのではないでしょうか。

CPUは「Central Processing Unit」の略称です。日本語訳は「中央演算処理装置」となります。

ここでは、CPUの基本スペックである「コア」「スレッド」「クロック周波数」「キャッシュ」と、Windows10での搭載CPUの確認方法をまとめたいと思います。CPUの基本を理解できていない方はご参考にどうぞ。

目次

CPUのコア数とは?

逵呉羽
CPUのコアって人間で言うと脳みそに該当するところですよね?
そうですよ。現代のCPUは、ひとつのパッケージ内に演算ユニットの集合体であるCPUコアを複数備えたマルチコアCPUが主流ですね。
桒田栞

マルチコアCPUでは、基本的に同じ機能を持つコアが複数備えられています。当然ですが、コア数が多ければCPUが同時に実行できる処理の数も多くなります。

複数のアプリケーションの同時実行時の処理速度や、マルチコアCPU向けに処理を並列化したアプリケーションの実行速度などが向上します。

コア

出典:CPU性能(スペック)を決める“5大要素”とその指標の見方

CPUのスレッド数とは?

逵呉羽
CPUのスレッド数って、コア数とは違うのですか?
CPUコア数が物理的な数(物理コア)に対して、CPUスレッド数は仮想コア数(論理コア)という違いがあります。
桒田栞

ココがポイント

OS上で認識されるCPUのコア数

物理的に入っているコアは1個ですけど、アプリケーション(Windowsなど)サイドからは2個あることにしようという考え方が同時マルチスレッディングといいます。コア数の2倍のスレッド数があるということになります。

この技術のことをハイパースレッディングテクノロジーと呼ばれています。この技術のおかげで、CPUの余力部分も効率よく使えるようになりました。

インテルCPUでは、ハイパースレッディングテクノロジー(Hyper Threading Technology)を略した「HTT」が搭載されています。AMD製CPUでは、サイマルテイニアスマルチスレッディング(Simultaneous Multi Threading)を略した「SMT」が搭載されています。名前は違いますが、HTTとSMTはほとんど同じ技術と言って過言ではないでしょう。

スレッド

出典:【CPUの基本】図解でよくわかる「マルチコア / スレッド」の意味

CPUのクロック周波数とは?

逵呉羽
クロック周波数ってきいたことがあります。でも正直あまり意識していませんね。具体的にはどういったものなのですか?
簡単に言うと、CPUが処理を行う際の信号(クロック信号)を扱う速さのことですね。ここではもう少し掘り下げてみていきましょう。
桒田栞

ココがポイント

クロック周波数 = CPUの処理性能

クロック周波数は単にクロック数とも言われます。単位はHz(ヘルツ)で表現されます。1秒間に何回振動したかを示す単位となります。

単位 1秒間
1Hz(ヘルツ) 1回
1KHz(キロヘルツ) 1000回
1MHz(メガヘルツ) 100万回
1GHz(ギガヘルツ) 10億回
1THz(テラヘルツ) 1兆回

パソコンの世界では、「0」と「1」のふたつだけの数字で情報がやり取りされています。これはパソコンを動かす動力が電気だからですね。電気にできることは、OFF(0)かON(1)かの二通りだけです。CPUのクロック周波数とはつまり、ONとOFFを切り替える速さのことだと言えます。ですので、数値が高ければ高いほど高速な処理が可能となるわけです。

しかし、デメリットとしてクロック周波数をあげると消費電力も当然あがるということは忘れないようにしておきましょう。

クロック周波数

出典:CPU性能(スペック)を決める“5大要素”とその指標の見方

CPUのキャッシュとは?

逵呉羽
キャッシュってメモリなんですよね?メインメモリとはまた違うのですか?
違いますね。CPUの中に搭載されているキャッシュメモリです。一時的にデータを保管しておくときに利用されます。
桒田栞

このCPUキャッシュメモリには、1次/2次/3次とあります。数字が若くなるほどより高速になっていきます。バスインターフェースから受け取ったデータを一時的に保管しておく場所のことを指します。CPUはよく使うデータをメインメモリではなくキャッシュメモリから取り出します。そちらの方がより早く作業ができるからですね。メインメモリって案外処理が遅いのですね。

キャッシュ

出典:レジスタとキャッシュメモリ

Windows10のタスクマネージャーで確認できるCPUの内容とは?

それでは実際に搭載されているCPUの状態を確認しましょう。ここでは私のWindows10のPCに搭載されているCPUを例題にして確認していきます。確認は「タスクマネージャー」を開いて「パフォーマンス」タブからできます。

タスクマネージャー

項目 内容
使用率 CPUが現在どれだけ利用されているかを示す値です。全CPU/全コア/全スレッドで通算して計算されます。例えば、全コアがそれぞれ100%動作すると利用率は100%になる。もし半分のコアが100%で、残り半分が0%ならば50%となります。100%ならフル稼働状態、0%ならアイドル状態(使用されていない状態)を表します。
速度 CPUの現在のクロック周波数を示す値です。
プロセス数 OS上から見たプログラムの実行単位。通常のWindows OSでは数百プロセスが実行中となっています。通常はアプリケーションを1つ起動すると、1つor複数のプロセスが実行されます。
スレッド数 プロセスの中にある実際の実行単位。たいていの場合、ひとつのプロセスには複数のスレッドが含まれています。CPUコアは、スレッド単位でプログラムを実行します。
ハンドル数 各プログラムが掴んでいるファイルやレジストリやイベントなどの数を示す値です。
稼働時間 システムが起動/再起動してからの時間が表示されています。
基本速度 CPUの標準クロック周波数を示す値です。
ソケット 物理CPU数を示す値です。通常は1ですが、サーバーシステムなどでは2つ以上のCPUを装着できるものもあります。
コア CPUのコア数を示す値です。
論理プロセッサ数 CPUのスレッド数を示す値です。
仮想化 「仮想化:有効」となっていれば、VMware、VirtualBoxなどの仮想化ソフトウェアを動作させるのに必要なIntel-VTやAMD-Vなどのハードウェア仮想化支援機能が利用できます。
「仮想化:無効」(BIOSで一時的に無効となっている)または「仮想化:非対応」(ハードウェア的に非対応)となっていれば、仮想化支援機能が利用できない可能性が高いです。
L1/L2/L3キャッシュ 1次/2次/3次キャッシュのサイズを示す値です。キャッシュ情報が「N/A」(情報は利用不可)と表示され、さらに「仮想マシン:はい」となっていれば、このWindows OSは仮想環境上の仮想マシンの中で動作しているということを表しています。

まとめ

CPUの基本スペックはいかがでしたでしょうか。正直CPUを理解していなくても、アプリケーションの開発なんて誰でもできます。(笑)

しかし、やっぱりPCが動く基本は理解しておくべきですね。理解しているとしていないとでは、開発能力、システム管理能力に差が出てくること間違いなしです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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